第1話:私とファラフェルの出会い

Beit Lebanonの運営メンバー、田中有雅がシリーズでお届けする「人生を変えたレバノン料理編」、始まります。ひょんなことからレバノンに魅せられた彼女と一緒に、レバノンと日本を繋ぐ料理の旅に出てみましょう。Yallah!


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はじまり


2011年、私はドバイにいました。

当時の仕事は、チョーヤ梅酒の海外営業。

梅酒をドバイで販売するための出張でした。

ある日、現地のパートナーとドバイ郊外まで営業に行った帰り道、「お腹空いたー!」と言う私。

ドバイ郊外はほぼ砂漠で、お店はポツ、ポツ、と点在。

そんな中、連れて行ってもらったのが、ファラフェル・サンドイッチのお店でした。


ファラフェル ?

初耳です。

ファラフェルとは、ひよこ豆にパセリや香辛料を混ぜたものを揚げたコロッケ。中東諸国で広く食べられていますが、国によって、材料や配合、形が微妙に異なります。例えば、エジプトのファラフェルは、ひよこ豆ではなくソラマメで作るそうです。


薄いクレープのようなパン生地(ホブス)に、ファラフェル、トマト、野菜をのせて、胡麻のソース(タヒニソース)をかけてクルクル巻いたラップサンド。

ファラフェル サンドイッチを一口頬張ったあの時の美味しさは今でも忘れられません。あまりの美味しさに、「この揚げ物はなに?」と聞き、ファラフェルという名前を知りました。

ファラフェルから始まったレバノンへの憧れ


その日から、私のファラフェル愛が始まりました。

寝ても覚めてもファラフェルのことが忘れられない。


ホテルの近くでファラフェルを食べられるお店を教えてもらって、毎日通いました。

しまいには顔を覚えてもらい、注文を待っている間に揚げたてのファラフェルをもらったり、おまけファラフェルを付けてもらったりするようになりました。

取引先で、お客さんに、「何が食べたい?」と聞かれると、迷わず「ファラフェル!」と答えては、レバノン料理のレストランに連れて行ってもらいました。


ファラフェル =レバノン料理!?

この時に初めて、レバノン料理の存在を知りました。

諸説ありますが、レバノン料理は世界4大料理の一つといわれ、中東料理の代名詞。

ドバイにある高級中東料理店のほとんどがレバノン流でした。


そしてレバノン料理にはファラフェル以外にも美味しい料理がたくさんあることを知りました。加えて、お店の内装の素敵なこと。レバノンはフランスの植民地だった時代があり、首都のベイルートはかつて中東のパリと呼ばれていました。


後に実際にレバノンに行って感じたのは、レバノン人の美意識の高さです。

街も、お店も、家も身なりも、全てが本当にお洒落で素敵なのです。

レバノンには、ファラフェル以外にも美味しいお料理がたくさんあることを知り、「いつか本場でファラフェルを、そしてレバノン料理を食べたい」と思いました。


帰国の日も、通い詰めたお店でファラフェル を買い込んで空港に向かいました。


(つづく)


<文・写真> Beit Lebanon 田中有雅

Beit Lebanon / بيت لبنان

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