第3話:日本での活動のきっかけ
レバノンへはそう簡単には行けません。
日本からの直行便はなし。
ドバイかカタールで乗り継いで16時間。
時間もかかるけど、お金もかかる。
それでも私のファラフェル愛は止むことを知らず、長期休暇の度にレバノン、ヨルダン、ドバイなどの中東を訪れるようになりました。次第に現地の友人や知り合いも増えていきました。みんな本当に親切でフレンドリーで、私の滞在のためにいつも世話を焼いてくれました。宿泊もホテルではなく、現地の知り合いの家に泊まることもありました。
美味しいレバノン料理をたくさん食べて、地中海で泳いで、山頂までドライブ、冬はスキーもできます。バーでワインを飲んだり、クラブに行ったり。ちなみに、レバノンのクラブ(ナイトクラブ)は世界レベルで最高に洗練されています。
そして帰国。
帰国する度にファラフェルが恋しくてたまらない。作り方は教わったけど作るパワーが湧いてこない。そこで、東京でファラフェルを食べられるお店を検索しました。私が住んでいた都内に10店舗ほどあることを知り、一軒ずつ順番に訪れて行きました。
でもそのほとんどがイスラエル系で、たまにエジプト系もありましたが、レバノン系のお店が見つかりません。イスラエル系でもファラフェル感を感じるには十分だったけど、何か物足りない。そう思っていた矢先、Facebookで偶然、ファラフェルを食べられるイベントを見つけました。開催場所は、自宅から徒歩10分の場所。迷わず行きました。
そのイベントを主催されていたのが、越出みづきさん。出張料理人という名の、お料理することを仕事にされているプロの方です。そして、そのイベントでファラフェル好きの日本人の方々と出会わせていただきました。
私の周りには、ファラフェル を知っている日本人がいなかったので、とっても嬉しくなったことを覚えています。ファラフェル の美味しさで大盛り上がり!ファラフェル が食べられるお店の情報交換をしました。そのほとんどは、ネットで調べて知っていたり、既に行ったことのあるお店でしたが、一軒だけ知らないお店がありました。
それが、今はなき、馬喰町art + eat。
ホームページはもうないのですが、食べログのページが残っていました。
早速行きました。
迷わず、ファラフェルプレートを注文。
食べた瞬間に、
これ!これ!これー!!!レバノンで食べたやつー!!!!!
と、衝撃が走りました。
プレートを運んできてくれたお店の方に、私のファラフェル愛を熱弁していると、
「このお店のレバノン料理を監修してる者がいるので、呼んできましょうか?」と。
これが、料理研究家、小川美穂先生との出会いでした。
(つづく)
文・写真:Beit Lebanon 田中有雅
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