第2話:本場レバノンへ
それから間もなくして、夢のレバノン行きが叶いました。
レバノンのある会社から「チョーヤ梅酒をレバノンで販売したい」という問い合わせがあり、当時、チョーヤ梅酒の海外営業部で中東担当だった私は、次のドバイ出張のついでに、レバノンに立ち寄る許可をもらえたのです。
念願のレバノン!
念願の本場ファラフェル!
梅酒の販売より、ファラフェルを食べられることに心躍っていました。
日本では、中東=テロのイメージが強いからか、母や友人には、レバノン行きをとても心配されました。もちろん立ち入ってはいけない地域、近づかない方がいい地域はあります。でも、当時は、一定のルールを守った上での滞在で危険を感じることはなく、警戒しすぎていた私は拍子抜けしました。
洗練された街、美しい地中海、緑豊かな山々、美味しい食事にワイン。
中東に位置するにも関わらず、四季すらあり、ここは地上の楽園か、と思うほど。
サウジアラビアなど近隣のアラブの国々からバカンスで訪れている人も多く目にしました。
※地中海沿いの高層マンションは、アラブのお金持ちの別荘だと聞きました。
レバノン滞在中、朝、昼、晩と3食レバノン料理を食べ続けても飽きませんでした。
その種類の多さに、永遠に食べ尽くすことはないのでは、と思うほど。
魚、肉、野菜はどれも新鮮です。
地中海に面するレバノンでは、魚も獲れます。
レストランに行くと、獲れたての魚が氷の上に並べられていて、好きなものを好きなだけ選んで、調理法もこちらが指定します。
お肉は生で食べられるほど新鮮。レバノン人はラム(子羊)の生肉をよく食べます。
気候がよく、オリーブや野菜、果物も豊富です。
お目当てのファラフェル も毎日食べました。
「あ、近くにファラフェル 屋がある!」と匂いで分かるまでになりました。
ファラフェル サンドイッチのお店は、店先で大きなお鍋でファラフェル を揚げているので、お店の周辺は、ものすご〜くいい匂いが漂っているので。
私にとってはどのお店で食べるファラフェル も最高に美味しかったのですが、せっかくなので、現地の方にオススメのファラフェル屋さんを聞いては訪れました。
その中の一軒が、ベイルート郊外にある小さなファラフェルサンドイッチのお店。本当に小さいのに、週末の朝は、長蛇の列。当時、一つ250円(くらいだったと思う)のサンドイッチをおじさんや子供達が大量に買って帰っていました。
聞けば、これがレバノンの休日の朝ごはんなのだそう。
実は、私の新婚旅行先はレバノンだったのですが(この話は別の特集で)、その時、私はこのサンドイッチ屋さんで働かせてもらいました。
実際にキッチンやお店に立ち、ファラフェルの仕込み、揚げ、サンドイッチを作らせてもらいました。レシピも教えてもらい、ファラフェルを成型するための特別な器具(使い方が難しい)もいただきました。
現地の友人の計らいで、超有名なレバノン人シェフのキッチンで、ファラフェル以外のレバノン料理の作り方も教えてもらいました。
ホモス(ヒヨコ豆のペースト)
ババガンヌーシュ(焼きナスのペースト)
タッブーレ(トマトとパセリのサラダ)
などなど。
こうして、私は沼のようにレバノン料理にハマっていったのでした。
(つづく)
<文・写真> Beit Lebanon 田中有雅
<写真協力> Beit Lebanon 法貴潤子
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