映画レビュー「存在のない子供たち」
「存在のない子供たち」(کفرناحوم/Capernaum, 2018, レバノン)
監督:ナディーン・ラバキー
レバノン映画の希望であり巨匠、ナディーン・ラバキー監督の最新作『存在のない子どもたち』が、Netflix Japanに登場!!
アラビア語を学ぶ人、レバノンのことを知りたい人は必見とレバノン人が言うこの作品を、少しご紹介します。
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ベイルートのスラム街に兄妹たちと暮らす12歳のゼイン。
子どもたちは学校には通わず、近所のお店で働いたり、道端で野菜ジュースを売ったりして食つなぐ毎日。
そんな中、あることをきっかけにゼインは一人家出をします。
落ち着かない街中で巡り合ったのは、エチオピア人のラヒルとその子ども。
彼らと共に新たな日々を生き始めるゼインですが、そこにまたいくつもの障害が立ちはだかります。
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彼は両親を、自分を生んだ罪で訴えます。
満足に生活が出来ないそんな環境に生まれたゼインが、ベイルートの街で生きのびる物語。
そこに、レバノンの大きな問題である貧困、難民、出稼ぎ労働者、女性と社会に根づく習慣・・・多くのテーマが詰め込まれています。
ゼインの日々に映し出される、目を背けてはいけないレバノンの一面。
彼が小さくも奮闘する姿、そして皮肉なユーモアと共に、レバノンに向き合ってみることが出来る作品かもしれません。
2021年7月13日
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